生薬として使われてきた「ドクダミ」。強烈な匂いが効能に

独特な香りのするドクダミ茶。むくみにいいと聞くし,クセになる香りも心地いい。とはいえ,そもそもドクダミの草の匂いは強烈ですよね。ドクダミとは,どんな植物なのでしょうか。

白い“花びら”は花ではなく葉

ドクダミはアジアのハーブと呼ばれるように,日本や中国などのアジアに分布する植物です。日本では,庭や道端に比較的よく見られる草の一つ。少し湿った日影に,まとまって生えているので見つけやすいです。

春から初夏に花が咲きます。白い花びらのように見える部分は,実は花ではありません。「総苞(そうほう)」とよばれる,葉が変化したものです。実際には,中央にある柱状のところに小さな花がたくさんついています。花を見つけたら,真ん中の部分をじっくりみてみてください。ただし,小さな花に雄しべや雌しべは見られますが,花びらはないので,一般にイメージする花っぽくはないかも。

「ドクダミ」の名前と強烈な匂いから,毒があると思われがちですが,「毒を矯める」=毒を抑えるという意味の「毒矯(どくだ)み」が名前の由来だと言われています(諸説あり)。ですから昔から,薬と認識されてきたんですね。

生薬として古くから利用されてきたドクダミ

ドクダミの生薬としての名前は「十薬(ジュウヤク)」です。10種類の病気を治すことができるという言い伝えからこの名がついたと言われますが,諸説あります。

日本では,ドクダミは古くから民間薬として使われてきました。江戸時代にはすでに万能薬のイメージだったようですから,日本では馴染みある薬だったのでしょう。生のまま解毒薬として腫れ物にあてたり,乾燥させてお茶にして利尿薬として飲んだり,鼻に詰めて鼻炎に対処したり,さまざまな効能を期待して使われてきました。

ドクダミは,日本の三大民間薬の一つとも称されます。ちなみにほかの二つは,下痢止めなどに使われる「ゲンノショウコ」と腹痛に使われる「センブリ」です。

強烈な匂いの元は殺菌成分

あの匂いの成分は「デカノイルアセトアルデヒド」という脂肪族アルカノイドです。このデカノイルアセトアルデヒドは強力な殺菌作用があります。生の葉をもんで(火であぶり)荒れた皮膚や水虫などに使われてきたのは,この殺菌作用を利用したものです。

でもデカノイルアセトアルデヒドは乾燥させると揮発して消えてしまいます。ですから,お茶にすると強烈な匂いは感じなくなるわけです。ただ,殺菌作用の失われます。

ほかにもドクダミに含まれる「クエルシトリン(ケルセチン)」というフラボノイド配糖体には利尿作用があることが知られています。血圧を安定する効果ももつ成分です。(血圧に関しては作用機序が調べられているようですが,利尿作用に関しては,はっきりとしませんでした。分かり次第,追記したいと思います)

生春巻きに,ドクダミの葉!?

日本では薬として使うイメージが強いドクダミ。タイやベトナムでは,ハーブとして生食することで知られています。

葉をサラダに入れたり,生春巻きに入れたりするそうです。確かに,パクチーを考えれば,独特な匂いもおいしさに変わるかも?

生食する場合,花が咲く前の柔らかい葉がおすすめだそうです。生薬には花が咲いた頃の地上部分が主に使われますから,用途によって適する時期がちがうのかもしれませんね。

日本でもチャレンジしている方がたくさんいるようなので,今後はお茶だけではなく,ハーブとして取り入れてみたいと思います。ぜひ,みなさんもどうでしょうか。

参考
・熊本大学薬学部薬用植物園「植物データベース ドクダミ

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です