ペテルギウスって知っていますか?
冬を代表する、いや星座を代表するともいえる「オリオン座」を構成する星です。オリオン座は、三つ並んだ星が目印の星座です。学校でも習うので、きっとみなさんも見たことがあるでしょう。
ペテルギウスは、オリオン座の左上に赤(オレンジ)色に輝く星の名前です。
余談ですが、私(伊原)は、一番好きな天体はM42星雲なのですが、これもオリオン座の中にあります。三つ星の下に赤っぽいごちゃっとした、シミみたいな天体がM42星雲です。双眼鏡や簡易な望遠鏡でも見えるので、とても観察しやすい、いわば観察ビギナーにおすすめの星雲ですね。
子供のころから、M42が好きだったので、オリオン座もとてもよく観察してきました。オリオン座は、夜でも空が明るい都心でも、見つけることのできる数少ない星座でもあります。
いつ起きてもおかしくない超新星爆発
さて、そんなオリオン座のペテルギウス。もうそろそろ爆発する、と言われてきました。ペテルギウスは、太陽の約1000倍ほどの大きさ、重さも太陽の約10倍はあります。
そしてすでに約800万歳ほど、と考えられています。
星は青白いほど若く、赤いほど歳をとっていますから、ペテルギウスが赤色(オレンジ色)だということを見ても、おじいちゃん、ということがわかるでしょう。
ペテルギウスのような星は、最後に激しい大爆発を起こすと考えられています。これが「超新星爆発」です。周囲に激しくガスや放射線を撒き散らし、星は寿命を終えます。
一般に超新星爆発がおきると、その後には中性子星が残るか、ブラックホールができるか、すると考えられています。
そして、ペテルギウスはもう寿命間近。いよいよ超新星爆発がおきるのでは、と言われているのです。
超新星爆発で、月のように明るく輝く…かも
ペテルギウスが超新星爆発を起こしたらどうなるのか。
ペテルギウスは地球から約700光年の距離にある、割に近い星です。ですので、もし爆発すると、月(半月)くらいの明るさで輝いてみえると考えられています。
もちろん昼でも見られます!数ヶ月は明るく輝いてみえる、はずです。
私(伊原)が、超新星爆発を見てみたい、と思うのは、子供のころに読んだお話から。まだ望遠鏡がなかった平安・鎌倉時代に、超新星爆発と思われる現象が載っていた、というものです。
藤原定家の明月記
平安・鎌倉時代の歌人、藤原定家が書いたエッセイ「明月記」には、いくつも超新星爆発らしき、記録が残ってるんです。
寛弘3年4月には、南の空に突如、大客星が出現。半月くらいに明るく輝いたそうです。
そんな昼間でも見られる星が、現代でも見られるかもしれない、と思うとわくわくしますよね。だから、ペテルギウスの超新星爆発がぜひ見たい、と思うわけです。
地球上への影響はほとんどない?
急に明るく輝く星なので、地球にも何か、悪影響がおきるのでは、と不安になるかもしれません。
そう思って調べてみましたが、多くの研究者が、放出されるガスも放射線も地上まで届くことはないと考えているようです。つまり、私たちの生活に影響があることはなさそうです。
研究上では、超新星爆発から放出されるニュートリノを観測しようと、「スーパーカミオカンデ」などが観測をねらっているでしょう。
ペテルギウスはいつ爆発するのか
2019年くらいから、ペテルギウスがとても暗くなっていることから、そろそろ超新星爆発を起こすのではないか、とSNSで話題となっていました。私(伊原)も、ついにその時が来るのか、と期待感いっぱいになったのですが…。
結論からいうと、そんなに差し迫っていなそうです。
ペテルギウスが暗くなっていることは確かで、研究者や研究機関が1970年代以降で、ペテルギウスが最も暗くなっていると発表しています。
そもそもペテルギウスは、明るさが変化する星なんです。星が膨らんだり縮んだりしながら、明るさが変わることで知られています。今回の暗くなった状態も、その明るさの変化の一環だ、と多くの研究者は考えているようです。
暗くなっているのは、超新星爆発の前兆ではない、ということ。
残念です。とはいえ、十万年後に爆発するのか、はたまた明日爆発するのか、は研究者でもわかりません。可能性としては、明日爆発することもあり得なくない!
生きているうちに、ペテルギウスの超新星爆発が見られたらいいな、と思っています。