中国湖北省武漢市で2019年末に発生した新型コロナウイルス(2019-nCoV)による、新型肺炎(COVID-19)が拡大しています。これまでの経過を簡単にまとめると……最新情報は下に!
(→コロナウイルスに関してはこちら、ワクチン開発についてはこちら)
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- 新型コロナウイルス感染症(COVID-19) *2020年3月8日現在
死者:3643人
感染者:10万7185人
中国本土外の感染確認国と地域:99
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- 日本の感染者(クルーズ船を除く) *2020年3月2日時点
感染患者:246人
・入院中または入院予定209人、退院31人、死亡6人
無症状病原体保有者:23人
・入院中または入院予定17人、退院6人
nCoV感染状況と各国対応、時系列(1月まで)
2019年
12月8日 武漢で新型コロナウイルスの感染者が見つかる2020年
1月9日 武漢で感染した60代の男性が死亡
1月13日 タイで感染者(武漢から来た60代の女性)
1月15日 日本で感染者(武漢から帰国した30代男性)
1月19日 韓国で感染者(30代女性)
1月21日 台湾で感染者(武漢から戻った50代女性)
1月21日 アメリカで感染者(武漢からの男性)
1月21日 日本の外務省は中国に「感染症危険情報」
1月22日 中国の保健当局が初めて記者会見。患者の数440人、死者9人
1月22日 マカオで感染者(武漢からの50代女性)
1月22日 北朝鮮が外国人観光客の受け入れを中止
1月23日 WHOは緊急事態の発表を見送り
1月23日 武漢を封鎖
1月23日 シンガポールで感染者(武漢から旅行の60代男性)
1月23日 香港で感染者(武漢からの30代と50代男性)
1月23日 ベトナムで感染者(60代男性と30代男性の親子)
1月24日 WHOは中国以外(ベトナム)でもヒトヒト感染した模様と発表
1月24日 ネパールで感染者(武漢から帰国した30代男性)
1月24日 フランスで感染者(40代男性)
1月24日 フィリピンが武漢からの観光客を政府が用意した特別機で全員送還
1月25日 オーストラリアで感染者(武漢に滞在歴のある50代男性)
1月25日 マレーシアで感染者(武漢からの60代女性、11歳と2歳の男子)
1月25日 香港が感染症警戒レベルを最高の「緊急事態」を宣言。
1月26日 中国各省の保健当局の発表を合計すると死者56人に
1月26日 中国政府の要請で中国の旅行会社が27日から海外への団体旅行を中止
1月26日 アメリカ政府がチャーター機で外交官などを武漢から避難計画
1月27日 カナダで感染者(50代男性)
1月27日 カンボジアで感染者(60代男性)
1月28日 スリランカで感染者(40代女性)
1月28日 日本政府は新型肺炎を「指定感染症」にすることを閣議決定
1月28日 ドイツで感染者(男性)
1月29日 政府チャーター機武漢から日本人を運ぶ
1月29日 フィンランドで感染者(30代女性)
1月29日 アラブ首長国連邦で感染者。中東初
1月30日 イタリアで感染者
1月30日 インドで感染者
1月30日 フィリピンで感染者
1月30日 武漢からチャーター機第2便で日本人帰国
1月30日 WHOが緊急事態を宣言
1月31日 武漢からチャーター機第3便で日本人帰国
1月31日 ロシアで感染者
1月31日 スペインで感染者
1月31日 スウェーデンで感染者
1月31日 イギリスで感染者2019-nCoV感染状況と各国対応、時系列(2月)
2月1日 新型コロナウイルス(2019-nCoV)が指定感染症に
2月1日 日本、武漢滞在歴のある外国人の入国を拒否
2月2日 フィリピンで死者。中国本土以外で初。
2月4日 ベルギーで感染者
2月4日 イギリスが中国本土にいる自国民に退避勧告
2月4日 フランスが中国本土にいる自国民に出国を呼びかけ
2月7日 チャーター機第4便で日本人と家族帰国
2月7日 横浜停泊のクルーズ船感染者が61人に。
2月8日 武漢で入院中だった日本人男性が死亡。
2月10日 クルーズ船の感染者が130人超。
2月11日 死者が1000人を超。
2月11日 WHOが新型肺炎をCOVID-19と命名
2月13日 クルーズ船の感染者が200人超。
2月15日 エジプトで初の感染者
2月19日 カンボジア 寄港のクルーズ船感染者なしと発表
2月20日 イランで初の感染者が死亡
2月25日 スイスで初の感染者
2月25日 アルジェリアで初の感染者
2月25日 オーストリアで初の感染者
2月25日 クロアチアで初の感染者
2月25日 サンフランシスコで非常事態宣言
2月26日 ブラジルで初の感染者
2月26日 一度陰性となった患者が再び陽性と判明
2月27日 クルーズ船の乗員下船開始
2月27日 安倍首相が小中高などに臨時休校を要請
2月27日 エストニアで初の感染者
2月28日 北海道が非常事態宣言
2月28日 ベラルーシで初の感染者
2月28日 リトアニアで初の感染者
2月29日 WHOが世界的な危険性の評価を「非常に高い」に引き上げ
2月29日 経産省がマスク・消毒液の出品自粛要請
2月29日 アイスランドで初の感染者(イタリアから)
2月29日 アイルランドで初の感染者(イタリアから)2019-nCoV感染状況と各国対応、時系列(3月)
3月2日 ポルトガルで初の感染者(イタリアから)
3月2日 サウジアラビアで初の感染者(イランから)
3月2日 ラトビアで初の感染者(イタリアから)
3月2日 ヨルダンで初の感染者(イタリアから)
3月2日 チュニジアで初の感染者(イタリアから)
3月4日 イタリアが全校休校を発表
3月4日 イタリアで死者100人超
3月4日 ポーランドで初の感染者(ドイツから?)
3月4日 ハンガリーで初の感染者(イランから)
3月4日 スロベニアで初の感染者(イタリアから)
3月6日 スロバキアで初の感染者
3月6日 セルビアで初の感染者
3月6日 バチカンで初の感染者
3月6日 ブータンで初の感染者
3月7日 イタリアで死者200人超
3月7日 山梨の患者髄膜炎の可能性
3月8日 米ニューヨーク州が非常事態宣言感染が急拡大しているのがわかりますね。中国では武漢を含めて複数の都市を封鎖していますが、どこまで抑えられるでしょうか。症状のない感染者も見つかっていますので、拡大阻止はなかなか厳しいですね……。
日本の防疫対応などは?
日本の水際対策として、健康カードの配布や医療機関受診の呼びかけなどの対応に対しては、さまざまな意見が上がっていますが……。国内の準備としては着々と進んでいるように見えます。
たとえば、新型コロナウイルス感染を疑う患者の検体採取・輸送マニュアルに関しては、国立感染症研究所が策定していますが、随時アップデートされています。
さらに、1月23日厚生労働省が国立感染症研究所でしか行っていなかった、新型コロナウイルスの検査を、全国の地方衛生研究所でも行えるように、必要な試薬を発送したと公表。
2月3日現在、として日本感染症学会が一般向け注意事項の中で、日本に「ウイルスが入り込みすでに市中において散発的な流行がおきていてもおかしくない」としました。
参考 一般市民向け 新型コロナウイルス感染症に対する注意事項日本感染症学会
ウイルス検査体制は? 対象者を拡大
1月30日には、厚生労働省はこれまで、新型コロナウイルスの感染状況を把握するため、武漢から来た肺炎患者と接触歴があって発熱や肺炎の症状が出た人などを報告や検査(疑似症サーベイランス)の対象としていました。
しかし、感染が確認されたツアーバスの運転手やバスガイドの例などはその基準に該当しないため、武漢から来た人と接触歴があって発熱や肺炎の症状が出た人も含めることにしました。
ただし、武漢からチャーター機で帰国した日本人の中には、まったく症状がないがウイルス検査で陽性になった感染者もいたことから、さらなる対応を検討しているということです。
2月11日、厚生労働省は、専用の「感染症病棟」以外の「一般病棟」での入院を認めることを通知。また自治体の判断で、感染が疑われる場合、これまでの対象以外の人もウイルス検査をするように求める通知も出しました。
2月27日、理化学研究所と神奈川県が共同記者会見を開き、従来より大幅に時間が短縮できる新しい検査方法を開発したことを発表しました。
今後も新たな情報が上がり次第、更新していきたいと思います。
そのほかの日本政府の対応まとめ
1月21日、24日には、首相官邸で新型コロナウイルスに関連した感染症対策に関する関係閣僚会議が開催されました。1月21日に発表された対応指針は下記のリンク先に(閣僚会議発表資料)。
参考 新型コロナウイルスに関連した感染症対策に関する関係閣僚会議首相官邸
1月28日、新型コロナウイルス肺炎について、感染症法に基づく「指定感染症」と、検疫法の「検疫感染症」に指定する政令を閣議決定。施行は2月7日(注:非常事態宣言が出たことで2月1日に前倒しされることになりました)。患者の強制入院や就業制限、入国者への検査指示など拡大防止策をとることができるようになります。
1月31日、日本政府は、新型コロナウイルスに感染した外国人の入国拒否に加えて、特段の事情がない限り、入国申請前の14日以内に中国の湖北省に滞在した外国人や、湖北省で発行されたパスポートをもつ外国人について、入国を拒否することを決めました。2月1日から適用されます。
適用初日、2月1日に入国を拒否された外国人は5人にのぼりました(2月3日発表)。
マスク不足が続く中、3月1日、安倍首相の判断によって厚労省が一般家庭用マスクの製造販売・輸入企業に売渡しを指示、北海道の中富良野町、北見市に配布することを決めました。
世界の状況が刻一刻と変化しています。今後、どのような対応がとられるのか、注視していきたいと思います。
WHOが緊急事態宣言、WHOの発表まとめ
1月30日、WHOが新型コロナウイルス感染拡大をうけて、緊急委員会を開きました。そこで、他の国ににも感染が広がる恐れがあることから、緊急事態を宣言しました。
WHOが緊急事態宣言を出すのはこれで6回目。最近では2019年にアフリカで流行するエボラ出血熱に対して出されました。
WHOは、ワクチンや治療法などの開発促進やデータ共有などを行うべき、としましたが、貿易や人の移動制限は勧告しないとしました。
2月4日、WHOは現状では、感染の大部分が中国本土にとどまっており、パンデミックには当たらないと発表。
2月5日、WHOは治療法やワクチン開発を協議するため11日から緊急会合を開くと発表しました。
2月8日、WHOが新型コロナウイルス(2019-nCoV)の感染予防に対するガイドラインを発表しました。
2月17日、WHOが致死率2%と発表。約80%が軽症、約14%が重症、約5%が重篤だったということです。
WHOは新型肺炎の名前をCOVID-19に命名
2月11日WHOは、今回の感染症を「COVID-19」に命名したことを発表しました。コロナウイルス Coronavirusと、病気 diseaseを組み合わせた名前で、19は、感染症が初めて確認された2019から取られています。武漢などの名前は入れませんでした。
https://twitter.com/who/status/1227248333871173632?s=21
治療方法、ワクチンについて
1月24日には、新型コロナウイルス(2019-nCoV)に対するワクチン開発を促進するよう、厚生労働省は企業や大学とのパートナーシップ締結を発表しています。
参考 新型コロナウイルスに対するワクチン開発を進めます厚生労働省
具体的な話は、下記の記事に書きました。
2月2日、タイ政府がエイズとインフルエンザに対する治療薬を併用したところ、肺炎患者の症状が劇的に回復した例を報告しました。
2月6日、国立国際医療研究センターが、患者1人に抗エイズウイルス薬を投与して、症状に改善傾向がみられたと日本感染学会のホームページ上に発表しました。
参考 当院における新型コロナウイルス感染症患者3例の報告/国立国際医療センター日本感染症学会
2月8日、マレーシアが容態が悪化した患者に抗エイズウイルス薬を投与して症状が改善したと発表。なお、一時、人工呼吸器をつけるまで悪化していたその患者は、その後回復して、退院したそうです!
2月19日、中国が抗マラリア薬の投与が効果があったと発表。
2月22日、加藤厚生労働大臣がインフルエンザ治療薬の「アビガン」の効果を確かめ、使用するかの検討に入っていることを明かしました。
2月26日、中国が治療後に退院した人の14%に再びウイルスの陽性反応が出たと発表しました。
3月3日、神奈川県立足柄上病院などが、吸入用ステロイド薬「シクレソニド」で症状が改善されたことを発表しました。病院は、シクレソニドの抗ウイルス作用や抗炎症作用が効果をもたらしたと推測。
- 日本の感染者(クルーズ船を除く) *2020年3月2日時点
- 新型コロナウイルス感染症(COVID-19) *2020年3月8日現在